会社設立の流れ

株式会社の設立には、

  • 「発起設立」:発起人がすべて出資する
  • 「募集設立」:出資者を募って設立する

の2種類があります。

ここでは、より簡単で早く会社設立できる「発起設立」の流れについてご説明します。

ステップ1 基本事項の検討

基本事項は、これから設立する会社の経営の根幹となるので、大変重要です

しかも、会社が動き出してから修正しようとすると、大変な手間と労力が必要になります。

後に作成する定款のことも意識して、慎重に検討し、決定します。

商号 これから設立する会社の名前(社名)のこと。
表記には、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、アラビア数字が使用できます。コンマ(,)、ハイフン(‐)などの記号も使用できます。
禁止されている表記がないかも確認しましょう。

 類似商号の調査 

当社にて、本社のある番地に類似の商号がないかどうかを、調査します。
新会社法により、市区町村内で類似商号があっても、同じ番地内になければOKとなりました。すなわち、オフィスビル、マンションなどの集合建物でなければ、類似商号で問題になることはほぼなくなりました。

本店所在地 会社の住所のこと。
場所については特に制限はないので、自宅の住所はもちろん、賃貸アパートの一室などでも、貸主(大家)の許可が下りれば可能です。
だだし、役所からの郵便物なども本店所在地に届きますので、実際に会社として機能する場所にするのが一般的です。
会社設立日 法務局へ登記申請した日が会社設立日になります。
会社が誕生する記念すべき日ですから、大安や8日(末広がり)など、縁起の良い日を選ばれる方が多いです。(ただし、法務局は土、日、祝日は受付をしないため、この日は会社設立できません)
事業目的 会社は、どんな事業を営むのか、さらにその事業が利益を出せることなどを明確に表現して、登記簿に記載する必要があります。
あいまいに表現してしまうと、許認可が必要な事業の場合など、許可が受けられない場合もあるので注意が必要です。
なお、将来的に行う予定の事業についても、あらかじめ記載しておくことが可能です。
資本金 会社法の改正により、資本金が1円からでも株式会社の設立が可能になりました。(だだし、許認可や事業内容によっては、資本金額の要件がある場合もあります。)
そうはいっても、資本金の額は会社の信用に直接関わる重要事項ですから、ある程度は高額に設定するのが一般的です。
なお、資本金が1,000万円未満で会社設立すれば、2事業年度は消費税の納税義務が免除されます。(平成23年に消費税法が改正され、平成25年1月1日以後開始事業年度については、1事業年度は免除。)
役員 現在は会社法の改正により、取締役1名からでも株式会社の設立は可能です。
取締役会は、取締役が3名以上いる場合に設置します。
監査役は、取締役会を設置した場合のみ必要です。
また、役員には任期がありますが、最長で10年にすることが可能です。
出資者 出資者は発起人ともいい、会社設立の際に事業資金を出す人のことです。出資者は1人でもいいですし、複数人も可能です。
この時、出資者は事業資金を出す代わりに会社の株式を取得して、「会社設立時の株主」になります。
事業年度 決算日翌日から、次の決算日までの期間のことです。
会社などの法人は、決算日を自由に設定できます。
会社の業種によって、忙繁期や現金に余裕がある時期とそうでない時期はそれぞれ異なると思いますので、それらを考慮して、ご自分の都合の良い時に決算日を決めると良いでしょう)。

ステップ2 会社印鑑を作る

商号や許可などの調査が済み、この商号で手続きを進めても問題がないようであれば、会社印を注文します。

一般的には、次の3つの印鑑を作成することが多いと思います。

会社代表印 会社の登記申請時に法務局に登録し、印鑑証明書の交付を受けることができる印
代表印は、大きさは一辺が10㎜以上30㎜以内に収まるものと決められています。
会社銀行印 銀行など金融機関に届け出る印。
会社角印 領収書や請求書など使用する印。

印鑑の作成は、弊社でも承っております。または、お近くのはんこ屋さんにご依頼下さい。

必ず必要なものですから、商号が決まり次第、早めに作られるとよいでしょう。(通常、完成までに1週間程度かかりますので、余裕をもってご用意ください)

ステップ3 定款の作成

定款とは、会社の根本原則を定めたものです。株式会社設立の際には、必ず定款を作成しなければなりません。また、記載すべき事項も決まっています。

弊社では、「電子定款」で定款認証します。

 電子定款とは 

定款は従来、紙に印刷し、製本しなければなりませんでしたが、2004年3月よりパソコンで作成した、電磁的記録での認証も認められるようになりました。これを「電子定款」と言います。
定款認証は公証役場で行いますが、所定の費用として「公証人手数料」と「印紙代」がかかります。
電子定款を使えば、「印紙代」の4万円を0円にすることができるため、大幅に費用を節約できます。

ステップ4 印鑑証明書(個人)を各1通ご用意ください


印鑑証明書(個人)

公証役場(定款認証)、登記所(設立登記申請)に提出するため、出資者と役員の、印鑑証明書(発行後3か月以内)を各1通用意します。

ステップ5 委任状に実印(個人)で押印してください


発起人ご本人の実印

実印(個人)は、就任承諾書等の関連書類にも押印しますので、書類押印時までにご用意ください。

定款認証手続き

ステップ6 個人通帳に、資本金の払い込みをします

  1. 銀行等で、個人(発起人)の普通預金口座を作ります。
    普段使っている個人銀行口座でも構いません。
  2. 1で作った個人の普通預金口座へ、個人のお名前で資本金額を振込みます。
    (つまり自分名義の普通預金口座へ、自分の名前で振込むことになります)
  3. 1で作った預金通帳の記帳を行います。
    自分の普通預金口座へ、自分から資本金額が振込まれたことが記載されます。
    このページの写しが、法人登記時に必要になります。

ステップ7 設立登記申請のための書類作成

設立に必要な書類に押印します。役員実印、及び会社代表者印を押印してください。

法務局への登記申請(=会社設立日)

登記完了・謄本などのお引渡し(登記申請後約2週間後)

無事に登記が完了したら、株式会社の誕生です!(営業の開始は、登記完了日ではなく、登記申請日に可能です。)